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乳幼児からの子育てに大切なこと

乳幼児からの子育てに大切なこと
1 これからは先行きの見通せない時代、正解のない世の中になると、多くの人が話題にしていました。
そして2045年には、AI(人工知能)が人間の能力を上回ると予言されてきました。だから、これからの子どもたちは、いままでとはちがう教育を受けて、いままでとはちがう能力やスキルを身につけておかなければいけないと、多くの人が考えていました。
しかし、2019年12月に、中国で新型コロナウイルスが発見されると、それが一気に世界に拡がってしまいました。誰がこんな2020年を予測できたでしょう。 こういう時に私たちは子どもにどう対処したらいいのでしょう?
「こどもの成長のペースや順番は変えられません。」
乳幼児にことばや計算を教える早期英才教育の効果がごく短期間で消えてしまうことはいまとなっては有名です。
では、「子どもがじぶんらしく生きていけるよう、どんなときも自分自身で人生を切り開くことのできる、心の強い子に育ってほしい」ことを願って、一緒に考えてみましょう。
1 まず、はじめに赤ちゃんの気持ちになってみましょう。
子どもはお母さんのお腹の中で成長し、すでに様々なことを感じ取っています。生まれてすぐから、母乳の匂いを感じとってお母さんを認識します。
生後1〜2ヶ月くらいになると、赤ちゃんは授乳中などにお母さんの目を見てにっこり笑います。これはお母さんの心の奥にある、幸福感や喜びに共感しているのだと言われています。共感する力の芽生えです。共感力というのは誰かの気持ちに寄り添える力です。
3〜4ヶ月になると今度は「そばにいるだけでなく、私を喜ばせて欲しい」と思います。5ヶ月くらいになると「喜ばせるだけでなく、わたしが喜ぶことをお母さん自身も喜んで欲しい」と思うようになります。
この「そばにいて欲しい」「一緒に楽しいことをしたい」という「喜びの共有」が、「共感力」「思いやり」の原点です。
人は「喜びを共有する力」を持たなくては、「悲しみを共有する力」も持てないのです。
3 子どもの脳は3歳までに約80%、幼児期早期にできあがります。
この時期はまさに見るもの、触れるもの全てを吸収して行きます。それまでに作られた脳がその後の人生を生きていくための基盤になります。思いやりや我慢強さ、生活のリズムや生活のマナーといった基本的な生活スタイルを形成していきます。
たくさん抱っこされ、ここちよさをあたえられて育つと、自身も他者と触れ合い、心地よさを与えることができるようになります。
したがって、少なくともこの時期まではお母さんは常に赤ちゃんと向き合っていくことが大切です。無視や、無関心であることは親や養育者との愛着形成を阻害し、子どもの心の安心感や信頼感を損ねることになります。
4 では、愛着形成とはどういうことでしょう。
母子の結びつきのことですが、赤ちゃんは生まれてすぐに、お母さんの胸に抱っこされると、自ら求めて母乳を飲みに行きます。最初の母乳を初乳と言いますが、感染予防の免疫力と栄養がたっぷりのお乳が入っています。赤ちゃんは「お腹が空いたとき」や「眠たいとき」「痛いとき」そして「恐怖を感じるとき」に大声で泣きます。このような時にお母さんが飛んできて、声かけします。つまり「困ったときに、この人は助けてくれる」という信頼が赤ちゃんに生まれてきます。このような母子の結びつきを「愛着」(アタッチメント)といいます。赤ちゃんとお母さんとの間に心のつながりが生まれることです。
お母さんの赤ちゃんに対する愛着形成は妊娠中に始まり、出産後のお世話やスキンシップなどによってより深まっていきます。それに対して赤ちゃんの場合、自分を受け入れて守ってくれる人に対して、本能的に愛着形成が行われます。
この「母子の愛着」があって初めて、子どもは自分を価値ある存在と感じ、お母さん以外の人とも安定した人間関係を築いていけます。たくさん抱っこされ、心地よさを与えられて育つと、自身も他人と触れ合い、心地よさを与えることができるようになります。
「母子の愛着」が形成される最も重要な時期は、乳児期から幼児期早期なのです。母子の愛着を育めた子どもは、人間関係のベースとも言える「基本的信頼」を覚えます。この「基本的信頼」は、他人と結びつく心地よさを知るはじめの一歩でもあります。また将来においても、お母さん以外の様々な関係にも適用するようになることになります。つまり、愛着形成ができていないと、子どもに絶対的な安心感が得られていないため、ストレスに弱く無力感を持つ、自傷、他傷行為をする、安定した人間関係を築けない、同年代の友達ができない、病気やケガが多い、依存性が強い、家族への反抗、暴力が起きるなどの症状の出現頻度が多くなるということです。愛着形成するため、声かけ、笑い返し、アイコンタクト、スキンシップ、抱っこして絵本の読み聞かせをしてください。たとえ短い時間でも構いません。
5 子どもは生まれてから5歳くらいまでに、親や養育者との間に愛着(強い絆)を形成し、これによって安心感や信頼感を足がかりにしながら、周囲の世界へと関心を広げ、認知力や豊かな感情を育んでいきます。
人間の子どもが健やかに育つには、「安全と探索」という二つの側面が必要です。愛着がしっかり築けていないと、この二つは正常に機能せず、その結果、こころと身体の発達に遅れや問題が生じます。広い世界で生きていくスキルを身につけて行くため、ときには危険を冒し、勇気を出して安全な場所を離れ、周囲を探索しながら、自分の世界を広げていく必要があります。言い換えれば「親のそば」という安全基地があるからこそ、多少の不安を感じても冒険できるということです。ときには危険を冒し、勇気を出して安全な場所を離れ、周囲を探索しながら、自分の世界を広げていく必要があります。
つまり自律心を発達させていくといくことです。
5 子育ての中で自己肯定感という言葉を耳にしたことがあると思います。
日本は外国に比べて若者の自己肯定感が低いとよく指摘されています。自分が好きだとか、なにかに挑戦するときに「わたしにはできる!」と思うだとか、そういう前向き思考につながる自己肯定感、こどもにとってすごく重要です。他人と比べるのではなく、「自分は大事な存在だ」「じぶんはここにいていいんだ」と自分を認める意識。それが、長い人生を充実したものにしていく力を子どもたちに与えてくれるのです。
子どもはきっとあなたの手助けで、感情のバランスを整えてキレない力を身につけ、目の前の困難からすばやく立ち直る力を発揮し、自分の心のなかを見て自分を理解する力を磨き、まわりの人たちを思いやって共感できるようになる。
子どもたちが自己肯定感を高めるために必要なことは、まず誰かから愛されるということでしょう。
とくに、周囲からの愛情によって自己肯定感の基礎を築いていく年齢は3歳から小学生くらいです。親の自己肯定感が強いほど、その子供の自己肯定感も強くなる傾向にあるのです。
5 ところで、今の子どもたちの現状はどうでしょう。
いじめ、児童虐待、ゲーム依存症、ネット依存症、SNSでの子どもの被害、子どもの自殺、子どもの貧困、共ばたらきの増加、地域の子ども数の減少(90万人割れ)など、子育ての環境は決して良いとは言えません。最近の報道では学校での中高生のネット依存症93万人、(10時間以上見ている子は7人に1人の割合になります。)
いじめ54万件、小中の不登校16万人、児童虐待の相談件数も19万件を超えています。
視力低下も年々増加しており、1.0未満の小学生は5年連続の増加で34%。中学生57%、高校生は67%。ゲームやスマホの影響と推察されています。屋外で遊ぶ機会が減って、あまり遠くを見なくなっていることが背景にあるようです。
5 ということで、こういう状況に子どもたちは打ち勝っていかねばなりません。
そのためには、もう一つ大切なことは、乳幼児の頃から、よりよい「生活習慣や食習慣」が子どもの健康を支えます。
まず生活のリズム(基本的生活習慣)が大切です。
朝食、昼食、おやつ、午睡、夕食、入浴、就寝の時間を一定に、バラバラだと精神の安定に影響があります。
食習慣はテレビを見ながらの食事はやめて、家族だんらんを大切にしましょう。よく噛むと、顎の発達を促し、歯並びがよくなり、歯の病気予防になります。肥満など様々な病気予防に良いです。高カロリーや甘いおやつはできるだけ避けましょう。
次に睡眠時間は先進17カ国に比べて、日本の平均総睡眠時間は11.6時間と最も短いです。良好な睡眠は脳の発達に大切です。
理想的には3〜5歳は10〜13時間、小学生は9〜11時間、中学生8〜10時間です。
そして運動、外での遊びは家族の理解と助けが必要です。
スマホ・テレビ・ゲームは利用時間を短くしましょう。(全て合わせて1日2時間以内)
絵本の読みきかせはとても大切です。絵本の読みきかせが何故必要なのでしょう。絵本の読み聞かせは子どもがさまざまなことを学び、成長していくのに大変手助けとなると思います。
絵本の読み聞かせは4ヶ月健診のブックスタートから6才くらいまで必要です。お母さん、お父さんが協力して毎日短時間でも読み聞かせてください。想像力、推理する力、考える力が広がってきます。読み聞かせることにより感性が豊かになります。また言葉の発達や表現も豊かになります。子どもに夢や希望を与えてくれます。悲しみや喜び、やさしさ、勇気など心の世界を親とともに味わう喜びを学ぶことができます。もう一つは活字に接触することにより、テレビ、ゲーム、スマホばかり見ていた子どもに比較して、小学生になったとき、読解力が上がります。是非本など活字に接触をさせる生活をさせましょう。
次に食育ですが、おままごとは子どもにとって楽しい遊びです。
子どもが手伝って、おやつや夕食をお母さんと一緒に作るのは、脳の発達にはとても良いのです。女の子も、男の子も成長するにつれて、食事を自分で作れるようにしましょう。
次に、外出ですが、生後2ヶ月くらいから外気浴を短時間、直射日光に気をつけて、天気の良い日は毎日外へ連れ出してください。外の刺激が発達に役に立ちます。また昼夜のリズムがつきやすくなります。成長するにつれて、行動範囲を広げてあげてください。近隣の人たちや家族の会話をたくさん聞かせてあげてください。動物との接触も必要です。また自然の様々な変化を体験させてください。家族でキャンプをして川の流れや山の緑、紅葉そしてダイナミックな海の変化を見せるのも子どもの脳の発達にとって、とてもいいことです。そういったことが、後になって、子どもを大きく成長させていきます。公園や児童館に行って、他の子供達や大人との接触も必要です。
5 少し話は変わりますが、子どもに望むことは、幼少期はもちろんですが、学校で、そして社会人としても、うまくやっていって欲しいと願っていると思います。
勉強をしっかりして欲しいと思っていますが、それが全てではありません。IQ(知能指数)や学力テストで計測される認知能力に対して「非認知能力」と呼ばれる能力が大切です。非認知能力は認知能力以外のものを広く指す言葉です。
非認知能力とは数字で表せない、豊かな「人間力」と「生きる力」です。能動的な心情を自分のなかでつくり出せる力です。主に自信、意欲(やりぬく力)、好奇心、自立心、自制心、忍耐力、協調、共感などの私たちの心の部分である能力のこと、つまり「目標や意欲、興味、関心をもち、粘り強く、仲間と強調して取り組む力や姿勢を中心」とする力です。価値観が多様化するなか、学力至上主義を疑問視する声が強まり、急速に変化する社会を生き抜く力を育てるものとして、非認知能力への注目が高まっているのです。非認知能力はこれからの幼児教育だけでなく、子どもの教育全般の重要なテーマになるといわれています。言いかえれば、自主的に参加したくなるような遊びや活動を子どもたちに用意してあげる必要があります。大学入試改革により、高校入試も「思考力」「判断力」「表現力」を重視するようになってきています。非認知能力が高ければ、時代の変化に応じて必要になる能力やスキルをその都度あとから身につけることは可能です。それが、先行きを見通せない時代を生きるセオリーです。(これは2020年度から改定される日本の学習指導要項の中心でもあります)

こういう研究発表もあります。
精神科医で「遊び」の研究者でもあるスチュアート・ブラウン(アメリカ カリフォルニア大学サンディエゴ校准教授 精神科医)によると、死刑囚監房にいる殺人犯たちの小児期には2つの共通点があるそうです。1つはなんらかの形で虐待されていたこと、そしてもう1つは、「子どもとして」遊ばせてもらえなかったことです。この研究は、小児期をピアノやその他の習い事や学習塾などの時間ばかり費やすのではなく、子どもが子供らしく「ただ遊ぶ」ことの重要性を指摘しています。音楽やスポーツ、学業はもちろん大切ですし、テレビやゲーム、ネットをみる時間にも意味があります。私は子どもが様々な技能を習得することに反対しているわけではありません。特別な才能への深い情熱があるのなら、その情熱を追いかけるべきだと思っています。
しかし、子どもが深く考え込んだり、好奇心をもったり、単純に遊んだりする機会を奪ってはいけない。それらは全て、子どもが成長し、発達し、自分を見つけるのに役に立つのです。すなわち自由な遊びは「自己肯定感を育てる」のにとても大切です。ルールがなく、子どもは自由に自分の想像力にまかせて没頭できるからです。という論文です。
5 ところで、お父さんの大切な役割は何でしょう。
子どもの知性を磨き、社会性や自律心を育んで行くためには、お父さんとお母さん、それぞれの持ち場があります。
家族にもそれぞれの形がありますので、必ずしも言えませんが、基本的にはお父さんはお母さんの変わりはできませんし、お母さんはお父さんの代わりはできません。
何故なら、子どもはお母さんの体から産まれてくるからです。お互いの役割は入れ替わることができないのです。お父さんが子どもと遊ぶ時間は、およそ母親の5分の1程度です。
でも、たとえ短い時間でも、父親としての役割をきちんと果たすことで、子どもの知性の土台をしっかり築くことはできるのです。まず大切なことは、夫婦ゲンカをすると、子どもの頭は悪くなります。乳幼児期に慢性的に夫婦ゲンカを見ることによって、小脳の灰白質(神経細胞が密集する部分)が明らかに減少するという研究報告があります。小脳は技術を習得したりするのに重要な働きをしています。また小脳の灰白質の減少により情動障害をひきおこすこともあります。子どもにとって夫婦ゲンカが強烈なトラウマになるという(心的外傷後ストレス障害(PTSD)、強い恐怖感、無力感、戦慄、悪夢)報告も多数あります。
お母さんは妊娠して約1年間かけて出産します。身体が2つに分かれるということです。
しかしながら、赤ちゃんとお母さんは出産後も長い間、精神的には1つなのです。赤ちゃんは、自分がお母さんと別人格だとは気づいていません。そして成長とともに、別の人間だと気づき始めます。それでも幼児期は心の深いところでは、ずっとつながっています。
一方お父さんとはそういう関係ではありません。最初から別の人間です。お父さんは生まれて初めて出会う他人なのです。
お父さん=他人=社会の関係ですから、お父さんとお母さんの関係を見て、他人との基本的な接し方を覚えていく訳です。

子どもは一人の人間としてお父さんから認められるという喜びによって、積極性、主体性など他人に向く健全な意識が育まれるわけです。そしてこのような考え方や行動のもとに責任感が育まれます。
子どもは向上心が強く、自分が向上していく上で目指す最初の模範が初めて出会う「他人」であるお父さんです。
正義、道徳、文化など、理屈ではない価値観を叩き込むのは、お父さんの仕事です。もう一つは父親と関わるほど認知能力や言語能力が高く、情緒的に安定していることがわかっています。(認知能力とは一般的には知能検査で測定できる能力のことを言い、「非認知能力」とは主に自信、意欲(やりぬく力)、好奇心、自立心、自制心、忍耐力、協調、共感などの私たちの心の部分である能力)さらにお父さんと子どもがより活発な遊びをするほど、新しい経験に遭遇した時に果敢に挑戦するようになり、成功を勝ち取るようになると言われています。
子どもにとってお母さんは安定、安心の象徴であるのに対し、お父さんは冒険、非日常の象徴です。子どもにとって、お母さんと遊ぶのと違って、お父さんと遊ぶのはワクワク感が全然違うのです。お父さんがダイナミックな遊びをすることで、挑戦する心、障害に負けない心が育まれていくわけです。
我慢強く、思いやり深く、規則正しい生活を送る子どもに育てるためには親が子どもに対し、我慢強く、思いやり深く接し、規則正しい生活を送らせる必要があります。
お父さんは子どもを自然の中に連れ出して遊びましょう。キャンプに行って、釣りやバーベキューを楽しんだり、スキーや海でシュノーケリングをしたり、たくさん冒険を経験させてください。
5 絵本の読み聞かせをすると、読解力があがる。
では読解力は何故必要なのでしょう。
絵本の読み聞かせは4ヶ月健診のブックスタートから6才くらいまで必要です。お母さん、お父さんが協力して毎日短時間でも読み聞かせてください。想像力、推理する力、考える力が広がってきます。読み聞かせることにより感性が豊かになります。また言葉の発達や表現も豊かになります。子どもに夢や希望を与えてくれます。悲しみや喜び、やさしさ、勇気など心の世界を親とともに味わう喜びを学ぶことができます。もう一つは活字に接触することにより、テレビ、ゲーム、スマホばかり見ていた子どもに比較して、小学生になったとき、読解力が上がります。是非本など活字に接触をさせる生活をさせましょう。読解力とは一般的には、文章を読み解く能力を指します。勉強においても仕事においても必須の能力です。
読解力とは、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力です。つまり、読解力とは、

※テキストを読み、正しく理解する。
※テキストの意味を理解する。
※このことのできる能力であると言えるでしょう。

「つまり何について述べているのか。結局どのようなことを言いたいのか」ということです。
本や雑誌、新聞などを読み、まとめたり、感想文を書いたり日記を書いたりすると能力が伸びます。小学生低学年では教科書を理解できないところは飛ばし読みするので、音読させた方が良いです。理解できないところは辞書やパソコンで調べて覚える習慣をつけましょう。また重要なところは線を引いて理解しましょう。
日本の読解力は経済協力開発機構(OECD)79カ国、15歳を対象に2018年実施した結果は15位に低下しています。
また国連児童基金(ユニセフ)は先進・新興国38カ国に住む子どもの幸福度を調査した報告書を公表、日本の子どもは生活満足度の低さ、いじめや家庭内不和、自殺率の高さから「精神的な幸福度」が37位と最低レベルでした。
5 かって数学者の藤原正彦さんは、学校教育に何が必要かと尋ねられて「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」と、やはり数学者で、現在国立情報学研究所教授、「教育のための科学研究所」所長の新井紀子さんは「一に読解、二に読解、三、四が遊びで五に算数」とおっしゃっています。
新井紀子さんは「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトを進めている人です。世界的にも著名な方で、「AIvs教科書が読めない子どもたち」という本を出版しています。2011年に「ロボットは東大に入れるか」と名付けた人工知能プロゼクトを始めました。このロボットは東ロボくんといいます。5年後2016年にはこの活動で世界的に名誉ある賞ももらっています。この年には東ロボくんの偏差値は57.1まで上昇しています。全国の国公立大学、私立大学の80%は合格可能となっています。現在数学のみに関しては、東大模試6問中4問に正解し、偏差値76.2という驚異的な成績を修めています。しかしながら、まだ東大合格には至っていません。本人はおそらく困難だろうと予測しています。
原因は読解力と常識の壁ということだそうです。
ではなぜ新井紀子さんはこういった挑戦をしたのでしょう。
それは近い将来AIが多くの人の仕事を奪ってしまうと予測しているからです。AIが絶対出来ない仕事は子育てや介護ですが、今後残っていきそうな仕事は、コミュニケーション能力や理解力を求められる仕事やまた例えば、畦(あぜ)の草抜きのような柔軟な判断力が求められる肉体労働が多いそうです。AIが不得意な分野、つまり高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断を要求される分野です。
多くの人があいまいに読んでいるので、全ての教科において「教科書」をよく読んで理解する。そのためには国語がいかに深く関わりを持っているか自覚することです。
とにかく教科書をよく読んで、意味を理解することです。
では「意味がわかって読める」ために、どう子育てしたらよいのでしょう。
読解力を上げるため新井紀子さんは次のように書いています。
「幼児期」の子育てについて、ということですが、私がこれまでお話しした内容とほぼ同様です。

1. 身近な大人同士の長い会話を聞く機会を増やすこと。特に多様な年代の大人同士の会話を聞く機会が必要。
2. 身近な大人が絵本を開いて、繰り返し読み聞かせをしてあげて欲しい。大人にとって繰り返しは往々にして苦痛だが、幼児にとって繰り返しが楽しい。
3. 信頼できる大人に、自分は守られている、という実感を持てること。
4. 社会に関心を持つようになったら、ごっこ遊びができる環境を作ったり、広告や駅名を読んでやったり、貨幣で何かをかったり、簡単な調理を一緒にしたりする機会を増やしてあげたい。
5. 日々の生活の中で、子どもが身近な小さな自然に接する時間を取ること。例えば、水は高いところから低いところへ流れること、その時に水が物を押し流す力あること、夕方最初に大きく光る星(宵の明星)があること、月が満ち欠けすること、秋になると紅葉し落葉する木があること、花をつける植物は種子ができたり実をつけたりすること、鳥が巣をかけてその中に卵を産みヒナを育てること、などが含まれるでしょう。子どもが十分に満足するまで、そのことをじっくり観察したり感じたりする時間を取ってあげたい。
6. 子どもが自分に集中できる時間を十分に確保すること。
7. 同世代の子どもたちと、十分に接する機会が確保されること。また、少し年上の子どもたちと、十分に接する機会が確保されること。また、少し年上の子どもたちがすることを真似たり、憧れたりする機会が確保されること。
8. 小学生については、教科書をよく読み、音読をすること、分からないところがあると、飛ばし読みするからです。辞書をそばに置いておき、分からない文章が出たら、調べて覚えること。これを繰り返すと、語彙力(言葉や単語を知っていて、使える能力)が増えます。

以上、新井紀子さんが、危惧する未来がもうそこまできています。私も最初にお話ししたように、今、乳幼児の子育てをもっと大切に考えていくことが、最優先課題だと考えています。
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